旧グッゲンハイム邸にて

憂いに佇む
柔らかなスミレたちが
その欲望を
その抑圧を
その熱望を
解き放つ

女性という定義から
女性という役割から
女性という制限から
女性という限界から
私が自らを
解放するとき

私たち存在の
その値打ちと価値は
果てしなく気高いものとなる

私は
この世と男に仕えることから 
自由になり
控え目であることから
自由になり
誰かに愛されることから
自由になる

私たちの臨在は
永遠の美の中に在り
あらゆるものからの
搾取を免れる

海の底に佇む
鉛の錨たちが

その欲望を
その抑圧を
その熱望を
解き放つ

男という定義から
男という役割から
男という制限から
男という限界から
彼が自らを
解放するとき

彼ら存在の
その値打ちと価値は
果てしなく尊い

彼は
世の中の賞賛から
自由になり
名誉とチカラを欲することから
自由になり
誰かを愛することから
自由になる

彼の臨在は
永遠の完全性の中に在り
あらゆるものからの
搾取を免れる

私は私になりたい
私は私でいたい
俺は俺になりたい
俺は俺でいたい

私たちが
ただ、そのすべてを
静かに
迎入れ
赦しはじめた、そのとき

この世界は
黄金に染まり
自由と歓喜のシグナルが
こだますだろう

時は白菫色に
空は巡り
大地は響き
風は畝る

二極の定義を持たない
時を超えた時間と
空間を超えた場所が

降り注ぐ雨と
鳴り響く落雷が

きっと私たちを導く
道標となるはず

女である
男である

その定義と
役割と
制限と
限界から

私たちは
必ず解放に至る
 
私は私のままで
あなたはあなたのままで
私は私のままで
あなたはあなたのままで
私は私のままで
あなたはあなたのままで

この詩を、すべての女性と男性たちに捧げます

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